空き家の管理

管理不全空き家とは|特定空家との違いと指定基準を解説

公開日: 2026年10月28日

管理不全空き家とは?まず結論

「市区町村から『管理不全空家』に関する通知が来た」「自分の実家が管理不全空家に当てはまるのか気になる」——2023年(令和5年)の法改正をきっかけに、こうした不安を持つ方が増えています。

結論からお伝えすると、管理不全空家等とは、適切な管理が行われておらず、このまま放置すれば「特定空家等」(倒壊のおそれなど、より深刻な状態の空き家)に該当するおそれがある空き家を指します。いわば特定空家等の“予備軍”という位置づけで、2023年の法改正で新しく設けられた区分です(国土交通省|空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律について、2026年8月15日確認)。

30秒でわかるこの記事の結論

管理不全空家等は、放置すれば特定空家等になるおそれのある空き家として2023年の法改正で新設された区分です。指導・勧告を受けることがあり、勧告を受けると固定資産税の住宅用地特例が外れて税額が上がるおそれがあります。特定空家等と異なり、命令・行政代執行の対象にはなりません。

  • 管理不全空家等は特定空家等の“予備軍”という位置づけ
  • 措置は指導・勧告まで。命令・行政代執行のような強い措置は規定されていない
  • 勧告を受けると固定資産税の住宅用地特例が外れ、税額が上がるおそれがある

本記事では、管理不全空家等の定義・特定空家等との違い・判断基準を解説し、指定を避けるための対策まで紹介します。断りがない限り、本記事の内容は2026年8月時点の制度に基づいています。

管理不全空家等の定義|法律上どう決まっている?

管理不全空家等は、空家等対策の推進に関する特別措置法(以下「法」。法律の全体像・特定空家等の措置の流れは空き家対策特別措置法とはで詳しく解説しています)第13条第1項において、「適切な管理が行われていないことによりそのまま放置すれば特定空家等に該当することとなるおそれのある状態にあると認められる空家等」と定義されています(国土交通省|管理不全空家等及び特定空家等に対する措置に関する指針、2026年8月15日確認)。

この定義を理解するには、まず「特定空家等」が何を指すかを知る必要があります。特定空家等は、法第2条第2項において、次の4つのいずれかの状態にあると認められる空家等と定義されています(同資料)。

  • (イ) そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
  • (ロ) そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態
  • (ハ) 適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
  • (ニ) その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

管理不全空家等は、この4つの状態そのものではなく、「このまま放置すればこの4つのいずれかに該当することとなるおそれがある」段階の空き家を指します。つまり、まだ特定空家等ほど深刻な状態ではないものの、放っておくとそこに近づいていく空き家、というイメージです。

相談者
うちの実家、まだ倒壊しそうなほどではないのですが、それでも対象になりますか?
福田
宅建士

はい、対象になり得ます。管理不全空家等は「今すぐ危険」な状態ではなく、「このまま放置すればいずれ危険な状態になりうる」段階を含む区分だからです。

管理不全空家等は、放置すれば「保安上危険」「衛生上有害」「景観を著しく損なう」等の特定空家等の4要件に該当するおそれがある空き家を指す、2023年新設の区分です。

特定空家等との違い|措置の重さが異なる

管理不全空家等と特定空家等は、対象となる状態の深刻さだけでなく、市区町村がとれる措置の重さも異なります。

区分 とれる措置 措置の重さ
管理不全空家等 指導(法第13条第1項)・勧告(同条第2項) 行政指導にとどまる
特定空家等 助言・指導・勧告・命令・行政代執行 命令違反には過料、代執行では強制解体も

国土交通省の指針では、「管理不全空家等については、周辺の生活環境に及ぼし得る影響の程度が特定空家等ほど大きくはなっていない状況であることに鑑み、命令や代執行のような強い公権力の行使に係る措置は規定されていない」とされています(同資料)。つまり、管理不全空家等の段階でとどまっている限り、行政代執行によって強制的に解体されることはありません。

ただし、指導を受けても状態が改善されず、そのまま放置すれば特定空家等に該当するおそれが大きいと市区町村が判断した場合には、勧告に進みます。さらに状態が悪化すれば、特定空家等として指定され、命令・行政代執行という重い措置の対象になり得ます。特定空家等に指定された場合の過料の金額・行政代執行までの詳しい流れは、以下の記事で解説しています。

あわせて読みたい空き家を放置するとどうなる?固定資産税6倍・過料・行政代執行のリスク空き家を放置するとどうなるか、固定資産税が最大6倍になる仕組みと罰則、行政代執行までの流れを段階を追って詳しく解説します。2026年7月時点の制度に基づく内容です。

管理不全空家等の措置は指導・勧告にとどまり、命令・行政代執行は規定されていません。ただし放置すれば特定空家等に進み、より重い措置の対象になり得ます。

管理不全空家等・特定空家等の判断基準

管理不全空家等・特定空家等に該当するかどうかは、全国一律の数値基準で機械的に決まるわけではなく、市区町村が次の4点を勘案して総合的に判断するとされています(同資料)。

  • 周辺の状況による悪影響の程度:被害を受けうる建築物・通行人等が周辺に存在するか
  • 空家等の状況による悪影響の程度:想定される悪影響が社会通念上許容される範囲を超えるか
  • 危険等の切迫性:特定空家等として措置する場合は、管理不全空家等より危険等の切迫性が高い状態であることが前提
  • その他の状況も勘案した総合的な判断:地域の実情(景観保全ルールの有無、大雪・台風等の影響を受けやすい地域かなど)も加味される

このため、「うちの実家は大丈夫」と自己判断するのではなく、外壁・屋根の破損、雑草の繁茂、ゴミの放置などが気になる場合は、早めに自治体の空き家対策担当窓口に相談することをおすすめします。近隣の空き家がこうした状態になっていて困っている場合の相談先・通報から指導までの流れは、以下の記事で解説しています。

あわせて読みたい空き家の苦情はどこに相談する?市役所への通報から指導・勧告までの流れ近隣の空き家に困ったとき、どこに相談すればいいか、相談後に自治体がどう対応するかを解説します。市役所ができること・できないことも紹介します。2026年8月時点の情報です。
「周辺への悪影響」の具体例としてよくあるのが、隣の空き家から伸びた庭木の枝が越境してくるケースです。対処法や相談先は隣の空き家の木が迷惑!越境した枝への対処法と相談先を解説で詳しく解説しています。

判断基準は全国一律の数値ではなく、周辺への悪影響の程度・危険等の切迫性・地域の実情などを踏まえた市区町村の総合判断です。

管理不全空家等に指定されるとどうなるか

指導を受けても状態が改善されない場合、市区町村は勧告に進むことができます。勧告を受けると、固定資産税等の「住宅用地特例」(敷地の固定資産税評価額を軽減する仕組み)の対象から除外され、税額が上がることがあります(国土交通省|固定資産税等の住宅用地特例に係る空き家対策上の措置、2026年8月15日確認)。特例の軽減率や税額の具体的な変化は、以下の記事で詳しく解説しています。

あわせて読みたい空き家を放置するとどうなる?固定資産税6倍・過料・行政代執行のリスク空き家を放置するとどうなるか、固定資産税が最大6倍になる仕組みと罰則、行政代執行までの流れを段階を追って詳しく解説します。2026年7月時点の制度に基づく内容です。

2023年管理不全空家等が
新設された年(法改正)

指導→改善なければ
勧告に進む

勧告を受けると固定資産税の住宅用地特例が外れ、税額が上がるおそれがあります。数値の詳細は「空き家放置リスク」の記事を参照してください。

管理不全空家等に指定されないための対策

管理不全空家等に指定されないためには、日頃からの適切な管理が基本になります。窓を開けての通気、水道を流す通水、庭木・雑草の手入れ、郵便物の整理といった定期的な管理を続けることで、外壁・屋根の破損や雑草の繁茂といった「悪影響」の芽を摘むことができます。自分で管理する方法の具体的な頻度・チェックリスト、管理サービスに委託する場合の費用相場は、以下の記事にまとめています。

あわせて読みたい空き家の管理はどうする?自分でやる方法・費用相場と業者選び空き家の管理はどうするか、自分で管理する方法とチェックリスト、費用相場、空き家管理サービスの選び方までまとめて解説します。2026年7月時点の制度に基づく内容です。
自分だけで管理を続けるのが難しい場合は、市町村長が指定した「空家等管理活用支援法人」に相談する方法もあります。制度の仕組みは空家等管理活用支援法人とは?制度の仕組みと相談できることで詳しく解説しています。定期的な巡回・通気・通水を代行してくれる民間の見守りサービスを使うという選択肢もあり、費用相場や主要サービスの比較は空き家見守りサービスとは?費用相場・主要サービス比較と自分でできる対策との違いで紹介しています。

福田真志

福田真志(宅地建物取引士)

管理不全空家等の入り口は、「気づいたら外壁が傷んでいた」「雑草が伸び放題だった」という日頃の管理不足であることがほとんどです。定期的な巡回だけでも、指定のリスクは大きく下げられます。

定期的な通気・通水・庭木の手入れなど日頃の管理を続けることが、管理不全空家等の指定を避ける基本的な対策です。

それでも管理が難しい場合の選択肢|売却という判断

遠方に住んでいる、時間や費用をかけられないといった事情で管理を続けるのが難しい場合は、売却・買取によって空き家を手放すことも現実的な選択肢です。管理不全空家等に指定される前に手放してしまえば、指導・勧告のリスクや、勧告後の税額増加を心配する必要もなくなります。

相談者
管理を続ける自信がありません。指定される前に売ってしまうという判断もアリでしょうか?
福田
宅建士

十分にアリです。管理の手間や費用を払い続けるより、早い段階で査定を受けて手放すほうが、結果的に負担が少なく済むケースは多くあります。

管理を続けるコストと売却という選択肢の比較は、以下の記事でも詳しく解説しています。

あわせて読みたい空き家の管理はどうする?自分でやる方法・費用相場と業者選び空き家の管理はどうするか、自分で管理する方法とチェックリスト、費用相場、空き家管理サービスの選び方までまとめて解説します。2026年7月時点の制度に基づく内容です。

管理を続けるのが難しい場合は、管理不全空家等に指定される前に売却・買取で手放すことも有力な選択肢です。

空き家買取.comの買取査定について

本サイト「空き家買取.com」は、株式会社Triikuが運営しており、空き家・相続物件の直接買取を専門に行っています。

  • 宅地建物取引業免許番号:東京都知事(01)第111976号
  • 所在地:〒105-0003 東京都港区西新橋2丁目39番3号 SVAX西新橋ビル4F
  • 電話番号:03-6845-0996(受付時間 10:00〜19:00、年中無休)

(株式会社Triiku 公式サイト|会社概要、2026年8月15日確認)

「管理不全空家等に指定されるか不安」「管理を続けるのが難しい」という空き家でも、まずは無料査定のご相談が可能です。

よくある質問

管理不全空き家の判断基準は?

全国一律の数値基準はなく、周辺への悪影響の程度・空家等の状況・危険等の切迫性・地域の実情などを踏まえて、市区町村が総合的に判断します。適切な管理が行われず、放置すれば特定空家等(保安上危険・衛生上有害・景観を著しく損なう等の状態)に該当するおそれがあると認められる空き家が対象です。

管理不全空き家に指定されるとどうなりますか?

まず市区町村から指導を受けます。指導を受けても状態が改善されない場合は勧告に進み、勧告を受けると固定資産税の住宅用地特例が外れて税額が上がるおそれがあります。命令・行政代執行のような強い措置は、管理不全空家等の段階では規定されていません。

特定空き家と管理不全空き家の違いは何ですか?

管理不全空家等は「放置すれば特定空家等になるおそれがある」予備軍の段階で、措置は指導・勧告にとどまります。特定空家等はより深刻な状態で、助言・指導・勧告に加えて命令・行政代執行という強い措置の対象になり得ます。

管理不全空き家の固定資産税はいつから上がりますか?

勧告を受けた場合に、翌年度から固定資産税の住宅用地特例が適用されなくなり、税額が上がるおそれがあります。指導の段階では住宅用地特例に影響はありません。具体的な軽減率・税額の変化は「空き家放置リスク」の記事で解説しています。

管理不全空き家に指定されないためにはどうすればいいですか?

窓を開けての通気、水道を流す通水、庭木・雑草の手入れ、郵便物の整理といった定期的な管理を続けることが基本的な対策です。管理が難しい場合は、管理サービスへの委託や、指定される前に売却・買取で手放すことも選択肢になります。

まとめ|早めの管理か、早めの決断を

  • 管理不全空家等は特定空家等の“予備軍”として2023年に新設された区分
  • 措置は指導・勧告まで。勧告を受けると固定資産税の住宅用地特例が外れる
  • 判断は市区町村の総合判断。全国一律の数値基準ではない

管理不全空家等は、まだ特定空家等ほど深刻ではないものの、放置すればそこに近づいていく段階の空き家です。定期的な管理を続けることが基本的な対策ですが、管理を続けるのが難しい場合は、指定される前に売却・買取で手放すことも有力な選択肢です。空き家買取.comでは、管理に悩む空き家の無料査定を承っています。

この記事の監修者

福田真志

福田真志宅地建物取引士

登録番号:神奈川県知事登録 第128777号

宅地建物取引士。掲載情報は各社公式サイト・行政の一次情報を確認のうえ執筆・監修しています。

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空き家の管理

空き家を所有し続けるデメリット6つ|解消する方法も解説

公開日: 2026年10月28日

空き家を所有し続けるデメリット|まず結論

相続した空き家をどうするか決めかねたまま、「とりあえずそのまま」にしている方は少なくありません。しかし、空き家を所有し続けることには、管理の手間・費用、資産価値の低下、税負担の増加など、時間とともに大きくなっていくデメリットがあります。

結論からお伝えすると、空き家を所有し続けるデメリットは大きく6つに整理できます。それぞれの内容と、デメリットを解消する方法(住む・管理する・活用する・解体する・売却する)を解説します。

30秒でわかるこの記事の結論

空き家を所有し続けると、維持管理の手間・費用、資産価値の低下、特定空家指定による税負担増、老朽化・倒壊、防犯上のリスク、近隣トラブルという6つのデメリットが積み重なっていきます。デメリットを解消する方法として、住む・管理する・活用する・解体する・売却するという選択肢があり、管理が難しい場合は売却(買取)も現実的な選択肢です。

  • デメリットは時間の経過とともに大きくなる傾向がある
  • 特に特定空家に指定されると固定資産税が最大6倍になることがある
  • 管理を続けるのが難しい場合は売却も選択肢になる

本記事では、空き家を所有し続ける6つのデメリットと、それぞれを解消する方法まで解説します。断りがない限り、本記事の内容は2026年8月時点の情報です。

デメリット①維持管理の手間・費用がかかる

空き家は人が住んでいなくても、通気・通水・郵便物の確認・庭の手入れなど、定期的な管理が必要です。自分で管理する場合は交通費と時間がかかり、業者に委託する場合は月々の費用が発生します。管理を業者委託した場合、固定資産税や火災保険料も合わせると、年間で一定の費用が継続的に出ていく計算になります。具体的な費用相場・自分で管理する方法は、以下の記事で詳しく解説しています。

あわせて読みたい空き家の管理はどうする?自分でやる方法・費用相場と業者選び空き家の管理はどうするか、自分で管理する方法とチェックリスト、費用相場、空き家管理サービスの選び方までまとめて解説します。2026年7月時点の制度に基づく内容です。

空き家は人が住んでいなくても管理の手間・費用がかかり続けます。自分で管理するか業者に委託するかで、負担の中身が変わります。

デメリット②資産価値が下がっていく

建物は時間とともに老朽化し、資産価値が下がっていきます。税務上の目安として、木造住宅の法定耐用年数は22年と定められており(国税庁の基準)、築年数が古くなるほど建物部分の評価は小さくなりやすい傾向があります。売却を検討する際の査定の考え方は、以下の記事で詳しく解説しています。

あわせて読みたい空き家査定|相場の調べ方・査定額の決まり方と高く売るコツ空き家査定の基本(机上査定・訪問査定の違い)から、地価公示等を使った相場の調べ方、土地値+建物残価という査定額の決まり方、査定額を上げるコツ、査定依頼時の注意点まで、初めて空き家を…

建物は時間とともに老朽化し、資産価値は下がっていく傾向があります。売却を検討するなら、早いほうが有利になりやすい理由のひとつです。

デメリット③特定空家に指定されると税負担が増える

管理が行き届かない状態が続くと、自治体から「管理不全空家等」や「特定空家等」に指定されるおそれがあります。指導を受けても改善されず「勧告」を受けると、固定資産税を軽減する「住宅用地特例」の対象から外れ、税額が最大6倍になることがあります。指定に至るまでの段階や、住宅用地特例の仕組みは、以下の記事で詳しく解説しています。

あわせて読みたい空き家を放置するとどうなる?固定資産税6倍・過料・行政代執行のリスク空き家を放置するとどうなるか、固定資産税が最大6倍になる仕組みと罰則、行政代執行までの流れを段階を追って詳しく解説します。2026年7月時点の制度に基づく内容です。

相談者
固定資産税が急に6倍になるって聞いたんですが、放置しているとすぐそうなってしまうんですか?
福田
宅建士

すぐにではありません。管理不全空家等としての指導、特定空家等の指導、そして「勧告」を受けた段階で初めて住宅用地特例が外れます。ただ、この段階に至るまでには猶予があるとはいえ、放置すればするほど改善の機会を失いやすくなります。早めに方針を決めておくことが一番の対策です。

管理不全な状態が続き「勧告」を受けると、住宅用地特例が外れて固定資産税が最大6倍になることがあります。指定に至る前の早めの対応が重要です。

デメリット④老朽化・倒壊のリスク

管理されないまま年数が経つと、雨漏りやシロアリ被害、基礎の劣化などが進み、最終的には倒壊のリスクにつながることがあります。倒壊した場合、隣接する建物や通行人に被害が及べば、所有者が損害賠償責任を問われる可能性もあります。

管理されない空き家は老朽化が進みやすく、倒壊による損害賠償リスクにもつながりかねません。

デメリット⑤空き巣・放火などの治安リスク

人の出入りがない空き家は、外から「誰も見ていない家」だと判断されやすく、空き巣や放火など犯罪の標的になりやすいというリスクもあります。郵便物の整理・庭の手入れ・センサーライトの設置など、今日からできる具体的な防犯対策は、以下の記事で詳しく解説しています。

あわせて読みたい空き家の防犯対策|狙われやすい理由と今日からできる対策空き家がなぜ狙われやすいのか、放置した場合の犯罪リスク、今日からできる防犯対策をまとめて解説します。管理が難しい場合の売却という選択肢も紹介します。2026年8月時点の情報です。

管理が行き届いていない様子は外から分かりやすく、空き巣・放火などの標的になりやすいというリスクがあります。

デメリット⑥近隣トラブルに発展するリスク

庭木や雑草が伸び放題になったり、害虫が発生したりすると、近隣住民から苦情が寄せられることがあります。所有者が遠方に住んでいて気づくのが遅れると、対応が後手に回り、トラブルが大きくなってしまうこともあります。

  • 庭木・雑草の管理不足:越境した枝や雑草の種が近隣の敷地に影響することがある([隣の空き家の木が迷惑!越境した枝への対処法と相談先を解説](/column/tonari-akiya-ki-meiwaku/)で詳しく解説)
  • 害虫・害獣の発生:管理されない空き家はシロアリ・ハクビシン等の発生源になることがある
  • 景観の悪化:周辺の資産価値・住環境への悪影響を指摘されることがある

近隣から苦情が寄せられ、市区町村が対応に乗り出した場合の相談窓口・指導までの流れは、空き家の苦情はどこに相談する?市役所への通報から指導・勧告までの流れで詳しく解説しています。

庭木・雑草・害虫などが近隣トラブルの原因になることがあります。所有者が遠方の場合は特に発見が遅れがちなので注意が必要です。

デメリットを解消する方法|住む・管理する・活用する・解体する・売却する

ここまで見てきたデメリットは、方針を決めて動くことで解消・軽減できます。主な選択肢は次のとおりです。

  • 住む:自分または家族が住み続ける。管理の手間はかからなくなるが、立地や生活の都合が合う場合に限られる
  • 管理を続ける:定期的な管理サービスなどを利用しながら所有を続ける。デメリット①〜⑥を最小限に抑えられるが、費用負担は継続する
  • 活用する:賃貸や民泊など、収益を生む形で活用する。空き家等管理活用支援法人などの制度を利用できる場合もある
  • 解体する:老朽化が進んでいて再生が難しい場合、更地にして土地として活用・売却する
  • 売却する:管理の手間・費用・リスクのすべてから解放される。老朽化していても買取であれば売却できる可能性がある([空き家が売れない7つの原因と対処法](/column/akiya-urenai/)で詳しく解説)

相続後の選択肢の比較・判断の進め方は、以下の記事で詳しく解説しています。

あわせて読みたい空き家を相続したらどうする?3つの選択肢と最初にやるべきこと空き家を相続したときに何から手をつければいいか、3つの選択肢(住む・貸す・売る)と、相続登記・管理・税金など最初にやるべきことを整理して解説します。2026年8月時点の一次情報に基…
管理・活用・売却・解体それぞれの詳しい選び方、国や自治体が用意している補助金・控除制度の一覧は、以下の記事にまとめています。

あわせて読みたい空き家対策まとめ|所有者がすべきこと・使える制度一覧空き家を相続・所有した方向けに、放置した場合のリスク、管理・活用・売却・解体の4つの選択肢、国や自治体が用意している補助金・控除制度を一覧でまとめて解説します。2026年8月時点の…

デメリットを解消する方法は、住む・管理を続ける・活用する・解体する・売却するの5つです。管理を続けるのが難しい場合は、売却によってデメリットそのものから解放される選択肢もあります。

空き家買取.comの買取査定について

本サイト「空き家買取.com」は、株式会社Triikuが運営しており、空き家・相続物件の直接買取を専門に行っています。

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「デメリットを整理したうえで、まず売却の可能性を知りたい」という場合でも、無料査定のご相談が可能です。

よくある質問

空き家を相続するデメリットは何ですか?

管理の手間や固定資産税などの維持費がかかり続ける点、放置すると特定空家等に指定されて税負担が増えるおそれがある点が主なデメリットです。資産価値の低下、老朽化・倒壊、防犯・近隣トラブルのリスクも挙げられます。

空き家を放置するとどんなデメリットがありますか?

管理不全空家等・特定空家等に指定されるリスクが高まり、固定資産税が最大6倍になることがあります。老朽化による倒壊リスク、空き巣・放火などの治安リスクも大きくなっていきます。

空き家を売却するデメリットはありますか?

売却すれば管理の手間・費用・税負担・防犯リスクといった所有し続けるデメリットからは解放されますが、住み続ける・貸すといった他の選択肢を選べなくなる点は考慮が必要です。物件の状態によっては、仲介より買取のほうが早期の現金化に向いている場合もあります。

空き家をそのままにしておくとどうなりますか?

管理されないまま放置すると、資産価値の低下、特定空家指定による税負担増、老朽化・倒壊、防犯・近隣トラブルといったデメリットが時間とともに大きくなっていきます。

空き家のデメリットを解消するにはどうすればいいですか?

住む・管理を続ける・活用する・解体する・売却するという5つの選択肢から、物件の状態や事情に合う方法を選びます。管理を続けるのが難しい場合は、売却(買取)で手放すことも現実的な選択肢です。

空き家を貸すデメリットは何ですか?

賃貸に出すと、修繕・原状回復・入居者対応など、所有し続ける場合とは別の管理の手間が発生します。老朽化が進んだ空き家では入居前に一定のリフォーム費用がかかることも多く、借り手が見つからない場合は空室のまま維持費だけがかかり続けるリスクもあります。

隣が空き家だとどんなデメリットがありますか?

自分が所有者でなくても、隣接する空き家が管理不全になると、越境した庭木・雑草、害虫の発生、景観の悪化といった影響を受けることがあります(デメリット⑥近隣トラブルを参照)。深刻な場合は、自治体の空き家相談窓口に相談する方法もあります。

空き家の買取にはデメリットはありますか?

買取価格は、仲介による売却と比べて市場相場より低くなる傾向があります。一方で、老朽化した空き家でもそのままの状態で売却でき、現金化までの期間が短いといったメリットもあります。仲介と買取の違いは以下の記事で詳しく解説しています。

あわせて読みたい不動産の買取と仲介の違いを徹底比較|空き家はどちらで売るべき?不動産の買取と仲介の違いを比較表で徹底比較。価格・期間・仲介手数料の仕組みを2026年7月時点の一次情報で解説し、老朽化した空き家はどちらで売るべきか判断材料を紹介します。

まとめ|デメリットは時間とともに大きくなる

  • 空き家を所有し続けると維持管理の手間・費用、資産価値低下、税負担増、老朽化、防犯、近隣トラブルという6つのデメリットが積み重なる
  • 特に特定空家に指定されると固定資産税が最大6倍になることがある
  • デメリットを解消する方法として住む・管理する・活用する・解体する・売却するの5つの選択肢がある

空き家を所有し続けるデメリットは、放置すればするほど大きくなっていく傾向があります。早めに方針を決めて動くことが、負担を最小限に抑える一番の方法です。管理を続けるのが難しい場合は、空き家買取.comの無料査定もあわせてご検討ください。

この記事の監修者

福田真志

福田真志宅地建物取引士

登録番号:神奈川県知事登録 第128777号

宅地建物取引士。掲載情報は各社公式サイト・行政の一次情報を確認のうえ執筆・監修しています。

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空き家の管理

空き家放置はどうなる?固定資産税6倍と過料・代執行を解説

公開日: 2026年10月27日

空き家を放置するとどうなるか|結論から

空き家を放置すると、どうなるのでしょうか。まず結論からお伝えします。

土地の固定資産税(毎年支払う税金)が、最大で6倍になることがあります。さらに、自治体が「行政代執行(役所が所有者の代わりに強制的に解体する仕組み)」を行った場合、その解体費用は所有者が全額支払うことになります。

ただし、いきなりそうなるわけではありません。空家等対策の推進に関する特別措置法(以下「法」)という法律で、段階を踏んで進むと決まっています。どの段階で気づいて動くかによって、負担の大きさは大きく変わってきます。

本記事では、空き家を放置した場合にたどる段階を順番に整理し、固定資産税が上がる仕組み、命令違反・行政代執行にまつわる罰則や費用負担、そして放置する前にとれる選択肢をわかりやすく解説します。断りがない限り、本記事の内容は2026年7月時点の制度に基づいています。

30秒でわかるこの記事の結論

空き家放置で固定資産税が最大6倍になるのは「勧告」を受けたときで、そこに至るまでには段階を踏む猶予があります。

  • 税額が上がるのは勧告を受けた翌年の1月1日から。空き家というだけでは上がらない
  • 命令に従わないと過料50万円以下、行政代執行になると解体費用は全額自己負担
  • 指導・勧告の初期段階なら、まだ売却・買取・活用で負担を抑えられる

空き家放置リスクの全体像

「空き家を放置するとどうなるか」を、まず一覧で確認しましょう。放置による影響は、大きく次の4つに分けられます。

分類 主な内容
税金 固定資産税・都市計画税の「住宅用地特例」(税金を安くしてくれる仕組み)が外れ、税額が最大6倍になる
行政処分 指導・勧告・命令・行政代執行という段階を踏み、最終的に強制的に解体される
物理的リスク 老朽化による倒壊・部材の落下、放火・不法侵入、近隣への悪臭・害虫被害など
金銭負担 行政代執行の解体費用は所有者が全額負担。命令に従わないと過料(行政上の罰金のようなもの)もある

この4つはバラバラではなく、つながっています。管理が行き届かない状態が続くほど物理的リスクが高まり、それが行政処分のきっかけになります。行政処分が進むほど、税金や金銭負担も重くなっていく、という関係です。放置に限らず、空き家を所有し続けること自体のデメリットを幅広く整理したい場合は、空き家を所有し続けるデメリット6つもあわせてご覧ください。全国的にも、賃貸・売却用や別荘を除いた「放置に近い空き家」は385万戸にのぼります(空き家数・空き家率は全国でどれくらい?で都道府県別データを解説)。

相談者
うちの実家、まだ倒れそうなほどではないので大丈夫ですよね?
福田
宅建士

実はそう言い切れません。屋根の傷みや庭の荒れといった程度でも「管理不全空家等」として指導の対象になり得ます。まずは今の状態がどの段階に近いか、次の流れで確認してみましょう。

空き家放置のリスクは税金・行政処分・物理的リスク・金銭負担の4つが連動して重くなっていきます。

空き家放置から行政代執行までの流れ(時間軸)

ここが本記事でいちばん大切なポイントです。空き家を放置しても、いきなり自治体が家を壊しにくるわけではありません。法律で決まった段階を、順番に踏んでいきます。まずは全体の流れを図で確認してから、各段階を詳しく見ていきましょう。

① 放置(何もしない) ② 管理不全空家に指定される(予備軍の空き家) ③ 特定空家に認定される(危険な空き家) ④ 勧告を受ける(改善を求められる) ←ここが分かれ目 ⑤ 翌年1月1日を迎えると 税金が最大6倍に ⑥ 命令(従わないと過料50万円以下) ⑦ 行政代執行(強制解体・費用は全額請求)

図: 空き家放置から行政代執行までの流れ。「勧告を受けた翌年の1月1日」を境に税額が変わる分かれ目になる。

図の中でとくに注目してほしいのが、④「勧告」を受けたあとの⑤「翌年1月1日」です。この日を境に、税金の計算方法が変わります(仕組みは次の章で詳しく説明します)。この日までに手を打てるかどうかが、負担額を左右する分かれ目になります。

相談者
放置していると、ある日いきなり役所が家を壊しにくるのでしょうか?
福田
宅建士

いきなりではありません。指導→勧告→命令→行政代執行と、法律で決まった段階を順番に踏みます。どの段階でも、所有者自身が改善すれば止められます。

段階ごとの中身を、もう少し詳しく見ていきましょう。国土交通省のガイドラインに基づく流れは、次のとおりです。実際にこの手続きが始まるきっかけの多くは、近隣住民からの相談・通報によるものです。

  1. 指導(管理不全空家等):「このまま放置すると『特定空家等』になってしまうおそれがある家」(管理不全空家等)に対して、市区町村(役所)がまず「改善してください」と指導します。
  2. 勧告(管理不全空家等):指導を受けても状態が改善されない場合、役所は具体的な改善措置を「勧告」します。勧告とは、指導より一段階強い、公式な改善要求のことです。この勧告を受けた時点で、その土地は固定資産税を安くしてくれる「住宅用地特例」の対象から外れます。
  3. 翌年1月1日までに直さないと税額に反映される:固定資産税は、毎年1月1日(これを「賦課期日」=税額を決める基準日といいます)時点の状態をもとに、1年分がまとめて計算されます。勧告を受けたあと、この1月1日を迎えるまでに状態を改善できなければ、その年度から住宅用地特例のない、高い税額(最大6倍)が課税されます。
  4. 特定空家等としての助言・指導:管理不全空家等として勧告を受けたあとも改善されず、より危険な「特定空家等」に該当すると判断された場合、あらためて指導からやり直しになります(管理不全空家等の手続きとは別に、最初から始まります)。
  5. 勧告(特定空家等):それでも改善しなければ、期限を決めて改善が勧告されます。この勧告でも住宅用地特例は外れます(すでに外れている場合はそのまま継続します)。
  6. 命令:正当な理由がないのに勧告に従わなかった場合、役所は期限を決めて改善を「命令」できます。命令に従わないと、50万円以下の過料(行政上の罰金のようなもの)が科されることがあります。
  7. 行政代執行:命令された内容を実行しない、実行が不十分、または期限までに終わりそうにない場合、役所が所有者に代わって解体などを行います。これが「行政代執行」です。代執行にかかった費用は、所有者が全額支払うことになります。

つまり、「管理不全空家等」の段階から数えると、指導→勧告→(特定空家等に該当)指導→勧告→命令→行政代執行という6段階を経て、ようやく強制的な解体に至ります。逆にいえば、このどの段階でも所有者自身が改善すれば、勧告は取り消され、住宅用地特例も元に戻ります。

なお、国土交通省の集計によると、平成27年5月から令和5年3月までの累計で、特定空家等に対する勧告は3,078件、命令は382件、行政代執行は180件行われています(国土交通省|固定資産税等の住宅用地特例に係る空き家対策上の措置、2026年7月31日確認)。勧告に至る件数に比べると、命令・代執行まで進むケースは限られていますが、ゼロではありません。

「管理不全空家等」は2023年の法改正で新設された区分

2023年(令和5年)の法改正で、新しい区分ができました。それまでは「特定空家等」(倒壊のおそれや著しい衛生上の悪影響など、すでに危険な状態の空き家)だけが対象でしたが、これに加えて「管理不全空家等」(このまま放置すれば特定空家等になりそうな、いわば予備軍の空き家)という区分が新設されました(国土交通省|空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律(令和5年法律第50号)について、2026年7月31日確認)。

この改正により、屋根や外壁が傷んでいる、雨水が入り込んだ跡があるといった、まだ倒壊するほどではない空き家でも、指導・勧告の対象になり得るようになりました。「うちはまだそこまでひどくないから大丈夫」とは、もう言い切れなくなっているということです。

例えば、親から相続した築40年の実家を、誰も住まないまま数年間放置していたとします。屋根の一部が傷み、庭の草木が伸び放題になっている——この程度でも、今の制度では「管理不全空家等」として指導の対象になり得ます。「倒壊しそうなほどボロボロでなければ大丈夫」という感覚は、もう当てはまらないのです。

自己診断チェックリスト|今どの段階に近いか

自分の空き家が今どのあたりの段階にありそうか、次のチェックリストで確認してみましょう。当てはまる項目が多いほど、対応を急いだほうがよい段階に近づいています。

  • 役所(市区町村の空き家対策担当課など)から、これまでに連絡や書面を受け取ったことがある
  • 前回の連絡・訪問から半年以上、特に対応をしていない
  • 建物の屋根・外壁が傷んでいる、雨水が入り込んだ跡があるなど、見た目にも劣化がわかる
  • 庭木や雑草が伸び放題になっている、敷地内にゴミや残置物が放置されている
  • 「改善してください」という指導・勧告の文書が届いたことがある、または届いたまま対応していない

1つでも当てはまる場合は、まだ税負担を抑えたまま対応できる段階である可能性が高いですが、複数当てはまる場合は、すでに指導・勧告の対象になっている、あるいは近づいているおそれがあります。心当たりがある場合は、放置を続ける前に、お住まいの市区町村の窓口へ現在の状況を確認することをおすすめします。

放置は指導→勧告→命令→行政代執行と段階的に進み、どの段階でも改善すれば止められます。

固定資産税が「最大6倍」になる仕組みを正確に理解する

「空き家 放置」で調べると必ず出てくる「固定資産税6倍」という言葉。これは大げさな表現ではなく、「住宅用地特例」という制度が外れることで実際に起こりうる数字です。仕組みを、順を追って見ていきましょう。

住宅用地特例とは

固定資産税・都市計画税には、人が住むための家が建っている土地(住宅用地)の税負担を軽くしてくれる「住宅用地特例」という制度があります。国土交通省の資料によると、軽減の割合は次のとおりです(国土交通省|固定資産税等の住宅用地特例に係る空き家対策上の措置、2026年7月31日確認)。

区分 対象面積 固定資産税の課税標準
小規模住宅用地 200㎡以下の部分 1/6に減額
一般住宅用地 200㎡を超える部分 1/3に減額

つまり、200㎡以下の小規模住宅用地であれば、更地(建物のない土地)の場合に比べて、税額を計算するもとになる評価額(これを課税標準といいます)が6分の1まで下がります。逆にいえば、この特例が外れると、課税標準は6分の1から本来の1(更地と同じ)に戻るため、税額は理論上、最大6倍になり得るのです。

例えば、住宅用地特例のおかげで、本来なら年間36万円かかるはずの土地の固定資産税が、年間6万円になっていたとします(あくまで一例の金額です。実際の税額は評価額によって異なります)。特例が外れると、この6万円が本来の36万円に戻る——これが「最大6倍」の中身です。

固定資産税の実額イメージ(あくまで一例) 6万円/年 住宅用地特例あり 36万円/年 特例が外れた場合 最大6倍 ※あくまで一例の金額です。実際の税額は評価額により異なります。

図: 住宅用地特例が外れた場合の固定資産税の実額イメージ(一例)。

特例が外れるのは「勧告」を受けたとき

住宅用地特例が外れるのは、「空き家である」というだけでは起こりません。市区町村から管理不全空家等または特定空家等として勧告を受けたときに、その土地が住宅用地特例の対象から外れます(同資料)。逆にいえば、指導を受けた段階では、まだ特例は続いています。

また、勧告を受けたあとに改善し、勧告が取り消されれば、住宅用地特例は元に戻ります。「一度でも空き家になったら、税金は上がったまま二度と戻らない」という制度ではありません。ここは誤解されやすいポイントなので、覚えておいてください。

税額が最大6倍になるのは「勧告」を受けたときだけ。改善すれば特例は元に戻ります。

なお、この住宅用地特例が外れる仕組みとは別に、京都市や大阪府寝屋川市のように、自治体が空き家の所有者を対象とした新しい税金(いわゆる「空き家税」)を独自に設ける動きも出てきています。両者は別の制度なので、混同しないよう注意してください。

あわせて読みたい空き家税とは?仕組み・対象自治体・税額の計算方法をわかりやすく解説空き家税(非居住住宅利活用促進税)とは何かを、先行する京都市の制度と、市内全域を対象に条例を可決した大阪府寝屋川市の事例をもとに解説します。固定資産税6倍リスクとの違い、税額の計算…

罰則・費用負担のまとめ

放置を続けた場合に発生しうる、お金の面でのペナルティ(罰則・負担)を整理します(国土交通省|管理不全空家等及び特定空家等に対する措置に関する適切な実施を図るために必要な指針(ガイドライン)、2026年7月31日確認)。

  • 報告拒否・虚偽報告:役所からの報告の求めに応じない、またはウソの報告をした場合、20万円以下の過料
  • 命令違反:役所の命令に従わなかった場合、50万円以下の過料
  • 行政代執行の費用:代執行にかかった作業員の人件費・業者への支払い・材料費などの実費は、すべて所有者(義務者)に請求されます。国税・地方税に次いで優先的に回収される権利(先取特権)が設定されており、支払いが滞ると財産の差し押さえなど、強制的な取り立ての対象になることもあります。
6倍住宅用地特例が
外れた場合の税額

50万円命令違反の
過料上限

20万円報告拒否・虚偽報告の
過料上限

なお、代執行によって借地(借りている土地)に建つ建物が解体された場合でも、借地権(土地を借りる権利)自体が自動的になくなるわけではないなど、解体後の権利関係にも注意が必要です。

相談者
行政代執行になった場合、解体費用はどのくらい請求されるのでしょうか?
福田
宅建士

作業員の人件費・業者への支払い・材料費などの実費が、すべて所有者に全額請求されます。しかもこれは税金が上がる話とは別に、まるごと追加でかかる費用です。

例えば、命令に従わず行政代執行になり、解体費用が200万円かかったとします(あくまで一例の金額です)。この200万円は、所有者に全額請求されます。しかも、これは税金が上がる話とは別に、まるごと追加でかかる費用です。

過料は最大50万円、行政代執行の費用は全額自己負担。税金の上昇とは別にのしかかります。

あわせて読みたい空き家の解体補助金はいくら?解体費用の相場・自治体窓口・落とし穴5つ空き家の解体補助金は国交省への直接申請ではなく市区町村窓口が基本です。相場は工事費の1/3〜1/2・上限50万〜150万円中心。先着順や着工前申請必須など見落としやすい落とし穴5つ…

なぜ放置してしまうのか、放置する前にとれる選択肢

ここまでの内容は、少し重く感じたかもしれません。ですが実際には、「よし、放置しよう」と決めている人はほとんどいません。多くの場合、次のような事情で、気づいたら時間が経ってしまっているのです。

  • 相続はしたけれど、遠方に住んでいてなかなか見に行けない
  • 誰が管理・処分するか、相続人どうしの話し合いがまとまっていない
  • 解体費用や修繕費用の負担が重く、つい後回しにしてしまう
  • 「まだ大丈夫」と思っているうちに、実は指導・勧告の対象になっていた
相談者
まさに自分のことです。忙しくてつい後回しにしてしまっていますが、まだ間に合うでしょうか?
福田
宅建士

指導や勧告の初期段階であれば、まだ税負担を抑えたまま対応できる余地があります。放置する期間を長引かせる前に、今の段階を確認するところから始めてみましょう。

放置を続ける前にとれる選択肢は、大きく3つあります。

  • 売却する:仲介(不動産会社に間に立ってもらい、買主を探してもらう方法)での売却は、立地や状態がよければ相場に近い価格が期待できます。ただし、内覧対応や買主探しに時間がかかることもあります。売却の流れや費用・税金は[空き家売却の完全ガイド](/column/akiya-baikyaku/)で詳しく解説しています
  • 買取に出す:不動産会社が直接買い取る方法です。老朽化した空き家や、[再建築不可物件](/column/saikenchiku-fuka/)(建て替えができない土地の物件)でも対応できる場合があります。早く手放したい、遠方でのやり取りの手間を減らしたい、という方に選ばれています
  • 活用する:賃貸に出す、更地にして土地として活用するなど、手放さずに収益化する方法もあります。ただし、修繕費用や管理の手間はその間ずっとかかり続けます。すぐに手放す予定がない場合の管理方法は[空き家の管理はどうする?](/column/akiya-kanri/)もあわせてご覧ください。誰に相談すればいいか分からない場合は、市町村長が指定した[空家等管理活用支援法人](/column/akiya-kanri-katsuyou-shienhoujin/)という相談窓口もあります。ホテル・ゲストハウスとして活用する方法は[空き家をホテル・ゲストハウスとして活用する方法](/column/akiya-shukuhaku-katsuyou/)で解説しています。遠方に住んでいて自分で通うのが難しい場合は、[空き家見守りサービス](/column/akiya-mimamori-service/)への委託も選択肢になります

売却・買取・活用のほかにも、解体して更地にする、空き家バンクに登録する、相続土地国庫帰属制度を使うといった選択肢があります。解体を検討する場合は、メリットだけでなく固定資産税の増額リスクなどのデメリットも踏まえて判断することが大切です(空き家解体のメリット・デメリットで詳しく解説)。7つの処分方法を費用と手間の面から比較したい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。

あわせて読みたい空き家処分の方法7選|費用と手間で徹底比較空き家を処分する7つの方法(売却・買取・賃貸活用・解体・空き家バンク・寄付・相続土地国庫帰属制度)を、費用と手間の面から比較します。2026年8月時点の一次情報に基づく内容です。
例えば、勧告を受けたにもかかわらず何も対応せず3年間放置したとします。前章の例(住宅用地特例ありで年6万円、特例が外れると年36万円)をもとに考えると、特例が外れた分の差額は年30万円です。これを3年間放置すると、差額だけで90万円の追加負担になります(あくまで一例の金額です。実際の税額は評価額により異なります)。放置する期間が長引くほど、この差額は積み上がっていきます。

例えば、遠方に住んでいて実家の管理が難しく、すでに役所から指導の連絡を受けているようなケースでは、「まず今の段階を確認し、放置を続けるリスクと早めに手放すメリットを比べてみる」というのが、現実的な一歩になります。

空き家買取.comでは、老朽化が進んだ空き家や、権利関係が複雑な物件についても、買取のご相談を受け付けています。指導・勧告の対象になっている、特例が外れて税額が変わりそうで不安、という場合も、まずは今の状況を整理するところからご相談いただけます。

選択肢は売却・買取・活用の3つ。放置期間が長引く前に、今の段階を確認して動くのが安全です。

あわせて読みたい空き家の管理はどうする?自分でやる方法・費用相場と業者選び空き家の管理はどうするか、自分で管理する方法とチェックリスト、費用相場、空き家管理サービスの選び方までまとめて解説します。2026年7月時点の制度に基づく内容です。

空き家買取.comの買取査定について

本サイト「空き家買取.com」は、株式会社Triikuが運営しており、空き家・相続物件の直接買取を専門に行っています。

  • 宅地建物取引業免許番号:東京都知事(01)第111976号
  • 所在地:〒105-0003 東京都港区西新橋2丁目39番3号 SVAX西新橋ビル4F
  • 電話番号:03-6845-0996(受付時間 10:00〜19:00、年中無休)

(株式会社Triiku 公式サイト|会社概要、2026年7月31日確認)

公式サイトの「CASE STUDY」欄には、愛媛県西条市の「ゴミ屋敷」状態だった物件を220万円で買取した事例が掲載されており、管理不全・特定空家等に近い状態の物件にも対応してきた実績が確認できます(株式会社Triiku 訳あり物件買取事業ページ、2026年7月31日確認)。

「指導・勧告を受けて不安」「早く手放して負担を減らしたい」という場合は、買取査定のご相談も承っています。

よくある質問

空き家を放置するとどうなりますか?

放置を続けると、まず市区町村から「管理不全空家等」「特定空家等」としての指導を受けます。それでも改善しなければ、勧告、命令、最終的には行政代執行(強制的な解体)へと進む可能性があります。勧告を受けた時点で固定資産税の住宅用地特例が外れ、税額が上がることもあります。

空き家を放置すると固定資産税はどのくらい上がりますか?

小規模住宅用地(200㎡以下の部分)で住宅用地特例が外れた場合、課税標準が1/6から1に戻るため、理論上は税額が最大6倍になり得ます。ただし特例が外れるのは「勧告」を受けた場合であり、単に空き家であるだけでは発生しません。

空き家放置の罰則はどのようなものがありますか?

市区町村長の命令に違反した場合は50万円以下の過料、報告徴収に対する拒否や虚偽報告をした場合は20万円以下の過料が定められています。さらに行政代執行が行われた場合は、その費用が所有者に全額請求されます。

「特定空家等」と「管理不全空家等」はどう違いますか?

特定空家等は、倒壊のおそれや著しい衛生上の悪影響など、すでに危険な状態にあると認められる空き家です。管理不全空家等は2023年の法改正で新設された区分で、まだそこまで危険ではないものの、このまま放置すれば特定空家等に該当するおそれがある空き家を指します。管理不全空家等の段階でも指導・勧告の対象になり、勧告を受ければ住宅用地特例が外れます。

勧告を受けたあとに改善すれば、税金は元に戻りますか?

改善措置が確認されれば、勧告は撤回され、住宅用地特例の要件を満たす状態に戻った時点から特例の対象になります。「一度勧告を受けたら税金が上がったまま戻らない」という制度ではありません。

まとめ|放置する前に「今どの段階か」を確認する

  • 税額が最大6倍になるのは「勧告」を受けた翌年の1月1日から
  • 命令違反は過料50万円以下、行政代執行は解体費用が全額自己負担
  • 指導・勧告の初期段階なら、売却・買取・活用で負担を抑えられる余地がある

空き家を放置した場合の道のりは、指導→勧告→(特定空家等への該当)助言・指導→勧告→命令→行政代執行という段階を踏みます。固定資産税が最大6倍になるのは、このうち「勧告」を受け、住宅用地特例が外れることが原因であり、単に空き家のまま置いているというだけで自動的に発生するものではありません。

裏を返せば、指導や勧告の初期段階であれば、まだ税負担を抑えたまま対応できる余地があるということです。相続した実家をどうするか迷っている、すでに自治体から連絡を受けているという場合は、放置する期間を長引かせる前に、売却・買取・活用のいずれかの選択肢を検討することをおすすめします。

あわせて読みたい空き家売却の完全ガイド|流れ・費用・税金と高く売る方法空き家をはじめて売る方向けに、仲介と買取の違い、売却7ステップ、必要書類、費用の内訳、税金の特例(3,000万円控除)、相談先までを2026年7月時点の一次情報に基づき解説します。

この記事の監修者

福田真志

福田真志宅地建物取引士

登録番号:神奈川県知事登録 第128777号

宅地建物取引士。掲載情報は各社公式サイト・行政の一次情報を確認のうえ執筆・監修しています。

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空き家の管理

空家等管理活用支援法人とは|仕組みと相談できること

公開日: 2026年10月27日

空家等管理活用支援法人とは|まず結論

「実家が空き家のままだけれど、誰に相談すればいいのか分からない」——役所の空き家対策のページを見ていて、「空家等管理活用支援法人」という耳慣れない言葉を目にした方もいるのではないでしょうか。

結論からお伝えすると、空家等管理活用支援法人(以下、支援法人)は、市区町村が指定した民間法人が、空き家の所有者に対して管理や活用の相談対応や情報提供を行う制度です。2023年(令和5年)の空家法改正で新設された仕組みで、NPO法人や一般社団法人、空き家の管理・活用を目的とする会社などが、市町村長の指定を受けて支援法人になります。

30秒でわかるこの記事の結論

空家等管理活用支援法人は、市町村長が指定したNPO法人・社団法人・会社等が、空き家の管理・活用について所有者に相談対応や情報提供を行う制度です。2023年12月施行の改正空家法で新設されました。

  • 指定するのは市町村長、対象はNPO法人・社団法人・財団法人・空家等の管理活用を目的とする会社
  • 支援法人ができるのは相談対応・情報提供・管理委託の受託・所有者探索・調査研究・普及啓発
  • 「管理・活用を続けたい」場合の相談先であり、手放す判断そのものを支援する制度ではない

本記事では、支援法人制度がつくられた背景、指定される法人の条件、支援法人が実際に行う業務、利用するメリット、そして「管理を続けるか、手放すか」で迷ったときの考え方まで解説します。断りがない限り、本記事の内容は2026年8月時点の制度に基づいています。

空家等管理活用支援法人の制度の背景

支援法人制度は、2023年(令和5年)6月14日に公布され、同年12月13日に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律」(令和5年法律第50号)によって新設された制度です(国土交通省|空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律について、2026年8月12日確認)。

この法改正では、使用目的のない空き家が増え続けている状況を踏まえ、「特定空家等になる前の活用・管理の強化」と「特定空家等の除却の円滑化」の両面が強化されました。支援法人制度は、このうち活用拡大の一環として、自治体だけでは手が回りにくい所有者への相談対応や情報提供を、民間の法人に担ってもらう仕組みとして設けられています。

福田真志

福田真志(宅地建物取引士)

支援法人は、いわば「市区町村と空き家所有者の間に立つ相談窓口」です。役所そのものではありませんが、市町村長の指定を受けた法人なので、一定の信頼性が確保された相談先といえます。

相談者
支援法人って、市役所の窓口とは違うんですか?
福田
宅建士

はい、支援法人は市区町村ではなく、市町村長の指定を受けたNPO法人や会社などの民間法人です。私が同席したご相談でも、最初は役所の窓口だと思っていて、支援法人の担当者から「市が指定した民間の法人です」と説明を受けて初めて違いが分かった、という方が少なくありません。市区町村から所有者情報の提供を受けて相談対応にあたることもできる、公的な位置づけの窓口です。

支援法人制度は2023年12月施行の改正空家法で新設された、民間法人による空き家の相談対応・管理活用支援の仕組みです。

支援法人に指定されるのはどんな法人?

支援法人に指定できるのは、市町村長です。指定を受けられるのは、次のいずれかに該当し、業務を適正かつ確実に行うことができると認められる法人です(国土交通省|同法概要資料、2026年8月12日確認)。

  • 特定非営利活動促進法に規定する特定非営利活動法人(NPO法人)
  • 一般社団法人
  • 一般財団法人
  • 空家等の管理若しくは活用を図る活動を行うことを目的とする会社

法人が指定を受けるには、市町村に申請する必要があります。市町村長は指定をしたときは、その法人の名称・住所・事務所の所在地を公示しなければならず、名称や所在地に変更があった場合も、届出・公示の手続きが必要です。指定された支援法人がどこにあるかは、お住まいの市区町村のホームページで確認できます。

具体的には、市区町村の公式サイトで「空家等管理活用支援法人」「空き家 相談窓口」といったキーワードで検索するか、空き家対策を担当する部署(建築指導課・住宅政策課など、自治体により名称は異なります)に直接問い合わせると、指定済みの支援法人の一覧や連絡先を案内してもらえます。相談する際は、物件の所在地(住所)や、登記簿謄本・固定資産税納税通知書など所有関係が分かる書類を手元に用意しておくと、話がスムーズに進みやすくなります。

支援法人に指定されるのは、市町村長の指定を受けたNPO法人・一般社団法人・一般財団法人・空家等の管理活用を目的とする会社です。

支援法人の業務内容|何をしてくれるのか

支援法人が行う業務は、法律上、次の6つに整理されています(国土交通省|同法概要資料・改正条文、2026年8月12日確認)。

  • 情報提供・相談対応:空き家の所有者等に対し、管理・活用の方法についての情報提供や相談、その他必要な援助を行う
  • 管理・活用の受託業務:委託を受けて、定期的な空き家の状態確認、活用のための改修など、管理・活用に必要な事業・事務を行う
  • 所有者等の探索:委託を受けて、空き家の所有者等を探す業務を行う
  • 調査研究:空き家の管理・活用に関する調査研究を行う
  • 普及啓発:空き家の管理・活用に関する普及啓発を行う
  • その他:管理・活用を図るために必要な事業・事務を行う

市区町村は、支援法人が業務のために所有者情報を必要とする場合、所有者本人の同意を得たうえで、支援法人に所有者等の関連情報を提供できます。これにより、支援法人が所有者不明の空き家について所有者を探し出し、相談につなげやすくする仕組みになっています。

相談者
6つも業務があるんですね。実際によく使われるのはどれですか?
福田
宅建士

実務では「情報提供・相談対応」と「所有者等の探索」が使われる場面が多い印象です。私が受ける相続空き家のご相談でも、相続人が3人いて誰も名乗り出られないまま実家が空き家になっていた、というケースをよく耳にします。こうした場合、支援法人が市区町村から所有者関連情報の提供を受けて所有者を探し出し、相続人全員に連絡が取れて初めて「管理を続けるか、手放すか」を話し合えるようになった、という流れが実際にあります。

支援法人への相談から実際の管理委託・活用に至るまでの流れは、法人ごとに細部は異なりますが、一般的には「①窓口への相談・問い合わせ」「②物件所在地や所有関係が分かる資料をもとにした状況確認・現地調査」「③管理内容や委託範囲のすり合わせ」「④契約締結・管理開始」という順で進むことが多いです。相談してすぐに管理が始まるわけではなく、現地の状態を確認したうえで委託内容を決めるステップが挟まる、という見通しを持っておくと、相談時の質問もしやすくなります。

また、支援法人は自らの業務のために必要があると認めるときは、市町村に対して空家等対策計画の作成・変更を提案することもできます。

市町村長は、支援法人の業務が適正・確実に実施されているかを確認するため、業務報告を求めることができ、実施状況に問題があると認めるときは業務改善を命令でき、命令に違反した場合は指定を取り消すこともできます。指定を取り消したときも公示されます。つまり、支援法人は指定を受けた後も、市町村の監督下で業務を行う仕組みになっています。

支援法人の業務は、情報提供・相談対応、管理・活用の受託、所有者探索、調査研究、普及啓発など6つに整理されています。市町村の監督下で業務を行います。

支援法人を利用するメリット

支援法人を利用する主なメリットは、次のとおりです。

  • 相談窓口が明確になる:「誰に相談すればいいか分からない」という状態から、市町村が指定した法人という明確な相談先ができる
  • 所有者情報の橋渡しがある:所有者本人の同意があれば、市区町村から支援法人への情報提供が可能なため、所有者を探すところから支援を受けられる場合がある
  • 管理業務の一部を委託できる:定期的な状態確認や改修など、管理・活用に必要な業務を委託できる

一方で、支援法人はあくまで「管理・活用を続ける」ことを前提とした相談・支援の枠組みです。委託料や具体的なサービス内容は法人ごとの契約で決まり、国が定める全国一律の金額はありません。詳しい料金や対応範囲は、お住まいの市区町村が指定している支援法人に直接問い合わせて確認する必要があります。

なお、似た名前の制度に「特定居住支援法人」がありますが、こちらは二地域居住の促進を目的とした別の法律(広活法)に基づく制度で、対象が二地域居住者向けの拠点整備等に限られる点が異なります。制度の違いは以下の記事で解説しています。

あわせて読みたい二地域居住とは?空き家活用との関係と自治体の支援制度をわかりやすく解説「二地域居住」の意味と、2024年の法改正でできた自治体の支援制度(特定居住促進計画・特定居住支援法人等)、空き家所有者にとっての活用の選択肢を、国土交通省の一次資料に基づいて解説…
また、「空き家管理士」という民間資格を持つ個人・事業者に管理を依頼する方法もあります。支援法人が市町村長の指定を受けた法人であるのに対し、空き家管理士は国家資格ではなく一つの民間団体が認定する資格である点が異なります。違いは以下の記事で解説しています。

あわせて読みたい空き家管理士とは|国家資格ではない民間資格の内容と依頼するメリット・注意点「空き家管理士」は国家資格ではなく、一般社団法人空き家管理士協会が認定する民間資格です。資格取得の流れ、依頼できる業務内容、費用の目安、紛らわしい他制度との違いを一次資料に基づいて…

支援法人を利用すると、相談窓口が明確になり、所有者探索や管理業務の一部委託を受けられる場合があります。委託料は法人ごとの契約によります。

支援法人への相談と、売却・買取を検討する場合の違い

ここまで見てきたとおり、支援法人は「空き家を管理し続ける・活用する」ことを前提に、その手間をサポートしてくれる制度です。一方で、「もう管理を続けるつもりはなく、手放したい」と考えている場合は、支援法人への相談よりも、売却・買取の検討が近道になることがあります。

今の気持ちに近いものを、次のチェックリストで確認してみてください。

  • 管理・活用を続けたい/続けるべきか迷っている → 支援法人に相談(相談窓口の紹介・情報提供、所有者探索、管理業務の一部委託などの支援を受けられます)
  • 遠方に住んでいて定期的な管理が難しいが、手放すかは決めていない → 支援法人への管理委託の相談と、売却・買取の査定を並行して比較する
  • すでに手放す方針が固まっている → 支援法人よりも先に、売却・買取の相談を進めたほうが早いことが多い

両者の違いを整理すると、次のようになります。

比較項目 支援法人への相談 空き家買取.comへの売却・買取相談
対象となる人 管理・活用を続けたい方、続けるか迷っている方 管理・活用を続けるつもりがなく、手放したい方
費用 相談自体は無料な場合が多いが、管理を委託する場合は法人ごとの委託料がかかる(金額は契約により異なる) 査定は無料。買取なら仲介手数料は原則かからない
かかる期間 相談→現地調査→すり合わせ→契約という手順を踏むため、一定の期間がかかる 買取なら数日〜数週間程度で現金化できる場合がある
相談後の所有権 所有権は所有者に残ったまま、管理・活用を続ける 契約が成立すれば所有権が当社に移り、手放すことになる
相談者
正直、実家をこの先も持ち続けるつもりはありません。それでも支援法人に相談したほうがいいのでしょうか?
福田
宅建士

手放す方針が固まっているなら、支援法人よりも売却・買取の相談を先に進めたほうが早いことが多いです。以前ご相談いただいた築40年近い実家のケースでも、はじめは支援法人への管理相談を検討されていましたが、現地の傷み具合を聞いて「これ以上維持していくのは負担が大きい」と判断され、そのまま当サイトの査定に切り替えられたことがあります。支援法人はあくまで「管理・活用を続ける」ことを前提とした制度ですから。

支援法人に相談したこと自体が無駄になるわけではありません。相談を通じて物件の状態や管理の手間が具体的に見えてくることで、「思っていたより維持が大変そうだ」「やはり手放したほうがよさそうだ」と方針が変わるケースは珍しくありません。その場合は、支援法人に相談した際に整理した物件の状況(築年数・管理状況・所有者関係など)をそのまま活用でき、あらためて一から資料を揃え直す必要は基本的にありません。空き家買取.comの無料査定でも、支援法人への相談状況や現地調査で分かったことを教えていただければ、それを踏まえたうえで査定を進められます。

放置を続けた場合の固定資産税リスクや、管理不全空家等・特定空家等に指定される流れについては、以下の記事で詳しく解説しています。

あわせて読みたい空き家を放置するとどうなる?固定資産税6倍・過料・行政代執行のリスク空き家を放置するとどうなるか、固定資産税が最大6倍になる仕組みと罰則、行政代執行までの流れを段階を追って詳しく解説します。2026年7月時点の制度に基づく内容です。
自分で管理する方法や管理サービスの費用相場を知りたい方は、以下の記事も参考になります。

あわせて読みたい空き家の管理はどうする?自分でやる方法・費用相場と業者選び空き家の管理はどうするか、自分で管理する方法とチェックリスト、費用相場、空き家管理サービスの選び方までまとめて解説します。2026年7月時点の制度に基づく内容です。
管理の手間や費用から解放されたい、遠方にあって管理が難しいという場合は、空き家の処分方法を比較した以下の記事もご覧ください。

あわせて読みたい空き家処分の方法7選|費用と手間で徹底比較空き家を処分する7つの方法(売却・買取・賃貸活用・解体・空き家バンク・寄付・相続土地国庫帰属制度)を、費用と手間の面から比較します。2026年8月時点の一次情報に基づく内容です。

管理・活用を続けたいなら支援法人、手放す方針が固まっているなら売却・買取の検討が近道です。

空き家買取.comの買取査定について

本サイト「空き家買取.com」は、株式会社Triikuが運営しており、空き家・相続物件の直接買取を専門に行っています。

  • 宅地建物取引業免許番号:東京都知事(01)第111976号
  • 所在地:〒105-0003 東京都港区西新橋2丁目39番3号 SVAX西新橋ビル4F
  • 電話番号:03-6845-0996(受付時間 10:00〜19:00、年中無休)

(株式会社Triiku 公式サイト|会社概要、2026年8月12日確認)

「管理を続けるかどうか迷っている」「支援法人に相談する前に、まず今の価値を知りたい」という場合も、無料査定のご相談を承っています。

よくある質問

空家等管理活用支援法人とは何ですか?

市町村長が指定したNPO法人・一般社団法人・一般財団法人・空家等の管理活用を目的とする会社が、空き家の所有者に対して管理・活用の相談対応や情報提供を行う制度です。2023年(令和5年)12月施行の改正空家法で新設されました。

空家等管理活用支援法人はいつから始まった制度ですか?

2023年(令和5年)6月14日に公布され、同年12月13日に施行された改正空家法(令和5年法律第50号)で新設されました。

空家等管理活用支援法人の指定数はいくつありますか?

国の政策目標としては「施行後5年間で120法人」を指定することが掲げられていますが、これは目標値であり、2026年8月時点の実際の指定数は本記事の一次資料では確認できていません。現在の指定状況は、お住まいの市区町村のホームページや国土交通省の公表情報でご確認ください。

空家等管理活用支援法人の委託料はいくらですか?

委託料は、支援法人と自治体・所有者との間の契約によって決まり、国が定める全国一律の金額はありません。具体的な料金は、お住まいの市区町村が指定している支援法人に直接お問い合わせください。

空家等管理活用支援法人を指定するメリットは何ですか?

所有者にとっては、相談窓口が明確になること、所有者本人の同意があれば市区町村から支援法人へ所有者情報の橋渡しが行われること、管理・活用に必要な業務の一部を委託できることがメリットです。市区町村にとっても、相談対応や所有者探索の一部を専門知識のある法人に委ねられるという利点があります。

支援法人にはどんな法人がなれますか?

特定非営利活動法人(NPO法人)、一般社団法人、一般財団法人、または空家等の管理若しくは活用を図る活動を目的とする会社のうち、市町村長から適正・確実に業務を行えると認められ、指定を受けた法人です。

自分の市区町村にまだ支援法人が指定されていない場合はどうすればいいですか?

支援法人の指定はすべての市区町村で行われているわけではありません。まだ指定がない地域にお住まいの場合は、市区町村の空き家対策担当窓口(建築指導課・住宅政策課など、自治体により名称は異なります)に直接相談するか、空き家買取.comの無料査定をご利用いただくことで、管理や売却についての相談を進めることができます。

まとめ|管理を続けるか、手放すかで相談先は変わる

  • 支援法人は市町村長が指定した民間法人による、空き家の管理・活用の相談窓口
  • 業務は情報提供・相談対応・管理委託の受託・所有者探索・調査研究・普及啓発の6つ
  • 管理・活用を続けたいなら支援法人、手放すなら売却・買取の検討が近道

空家等管理活用支援法人は、空き家を管理・活用し続けたい所有者にとって、心強い相談窓口になり得る制度です。一方で、この制度はあくまで「管理・活用を続けること」を前提にしたサポートであり、手放す判断そのものを支援する仕組みではありません。

実家の空き家をどうするか迷っている段階であれば、支援法人への相談と並行して、「今売るといくらになるのか」を確認しておくことも、判断材料の一つになります。空き家買取.comでは、老朽化した空き家や、遠方にあって管理が難しい物件についても、無料の査定を承っています。

この記事の監修者

福田真志

福田真志宅地建物取引士

登録番号:神奈川県知事登録 第128777号

宅地建物取引士。掲載情報は各社公式サイト・行政の一次情報を確認のうえ執筆・監修しています。

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